2018年12月29日土曜日

“serendipity” la fleur - b1903 -


『COME AND GO WITH ME』

私は旅の中でアクセサリーをつける事を学びました。
一切自分を飾る事を嫌っていた私でしたが、シルクロードの旅で現地の女性が身につけている装飾品の意味を知って、自分もつけたいと思うようになりました。それは、友情の印であり、身につける財産であり、結婚した女性であるという証明でした。
イランでお世話になった家族からモスクのドーム型の水晶とシルバーの指輪をもらった時は、それを身につけて旅をしている間、自分がその社会に受け入れられて、守られているという気持ちがとても強くなりました。(帰国後、個展の準備中に壊れてしまいました。修理をしようとしましたが、とても古いシルバーだったので、今のシルバーと純度が違って無理だと言われました。)
また、イランの国境から乗ったトルコ横断の長距離バスでのこと。乗り物酔いで私の方に思いっきり吐いた子供とずっと遊んであげたら、イスタンブ—ル直前で母子がバスを降りる際にシルバーの指輪を外してプレゼントしてくれました。お互い「ありがとう」「どういたしまして」の言葉すら言えなかったけれど、指輪を通してそのお母さんの「ありがとう、気をつけて、良い旅を!」というメッセーが伝わって指を見る度笑顔になり、心が温かくなり、またそれをはめていると自分が異国の女性たちに守られて強くなる気がしました(小学校時代からの親友が結婚して東京に引っ越す際にプレゼントしました)。
インドの友人が旅を続ける私にヒンズー教の聖なる言葉にルビーがついたペンダントトップをくれて、それを手に握るだけで心が静かになった事(いつか娘にあげようと思っています)。
インドの田舎で毎日通ったレストランで、いつも私のサービスをしてくれたおじいさんとは一度も会話をしなかったのに、お皿の下にいつもチップを置いて2ヶ月通った最後に、「明後日日本に帰るんだ」と言ったら、翌日私のお皿の上に琥珀の指輪を置いてくれた事(これは今も手元にあります)。
指輪やアクセサリーはどれもどこかに渡って行った思い出なので、貴金属の装飾品は「どこからかやってきて、どこかに去ってゆくもの」という感じがしています。
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しおれてうなだれたアネモネは
花柄のシルクの大判のスカーフに染色をほどこし
深みがある花の色にしました
フランス製の花芯がアクセントになり
表情豊かに仕上げました
枝の部分はシルバー色のワイヤーを巻いて作りました
パープルはプリントの位置によって
一つ一つのコサージュの色も少しずつ変わります
コサージュピン部分にネックレス用のリングを取り付け
革紐を通してペンダントとしてもご利用いただけます