2018年6月24日日曜日

"Lovelorn” la fleur -a1855-


二〇〇九年、父の八十歳の誕生日からほどなくして、私の旅ははじまる。

二〇〇九年三月三十日 月曜日 晴天
銀色のトランクの中へ荷物を詰め込む。スカート、ブラウス、セーター、ワンピース、パンツ、ブラジャー、パジャマのワンピース、タオル、歯ブラシ、化粧道具ひとそろえ、石鹸、シャンプー、リンス、ナプキン、カミソリ、ブラシ、マニキュア、爪切り、スニーカー、ガイドブック各種。ハンドバックにパスポート、航空券、予約した列車の電子切符、ホテルの予約チケット、プリントアウトした地図、ペン、携帯電話、デジタルカメラ、お財布、クレジットカード、それから、アンネの日記、父の日記、そして、私のまだ真新しいノート。朝六時半、トランクを閉じて、家を出る。
黒いオーバーコート。ブーツを履く。ヨーロッパはなお寒いだろうか。首にマフラーを巻きつける。

いってきます。





「親愛なるキティーたちへ」小林エリカ(リトルモア)より




2018.3.23.22:14
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幾重にも重なったシルクサテンの花びら
立体的なバラの花を作り、プレスをした上にPVCと革のベルトをのせてニッケルのビスでとめています
ブラックの方には花びらにプリント地を混ぜて使用しています
花柄のシルクのスカーフ生地を使っているので一つ一つの柄が違います