2018年6月28日木曜日

"Lovelorn” la fleur -a1859-


そして、それには相手が必要
相手とは愛する彼であったり、花というものであったり
友人という人であったり、旅というチャンスであったり
でも全ては自分を写す鏡だと感じる
結局のところ 相手は自分を写しているから 
たった一人だ

孤独なのだと

その孤独こそ
自分自身を感じるときでもあり
相手を愛すると感じる時間でもある


2018.4.17.5:28
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鮮やかなシルクサテンの菊の花、大きく華やかな印象のコサージュ
上にPVCをのせてニッケルのビスでとめつけています
茎はワイヤーで巻き上げ仕上げています

2018年6月27日水曜日

"Lovelorn” la fleur -b1857-


私の孤独は、安らぎの中にある
でもこれも、誰かが居てくれる時間があっての事
地球でたった一人っきりだとしたら、それどころではない

ヒトは身体と言葉をもっているので、孤独です
だからこそ、何かを分かち合いたいと
もがくのではないでしょうか

2018.4.17.5:28
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花柄プリントのシルクのスカーフで作った土台に、繊細なひと枝の花が配されたデザイン
小さな花びらにはグラデーションで色が幾重にも重ねられています
プレスをした上にPVCをのせてニッケルのビスでとめつけています
裏側にはPVCのベルト通しでリボンや紐を通せる仕様になっています

2018年6月25日月曜日

"Lovelorn” la fleur -b1856-


誰かの前で無防備でいられる心地良さと怖さの間で、私は「私」をよく見えるようになった気がします

二人でいる時も、一人だからです
別れた後の一人の時間が
不思議なくらい気持ち良いです

それは、学生時代にウランバートルの大草原を目の前にした時の風
パリのカフェで浴びた光
ハイになるくらい気に入った文章を読んだ時
肌触りの良いネグリジェで煙草を吸う時にも
似ています

忘れられない景色
風や光や雨
言葉や恋人の瞳も
思いがけずに、「本当に」見つめられた瞬間に
密度があるのかもしれないと思います
それはシェアできない、一人の時間です

愛と孤独の間には
困惑と不安、新しい解釈の発見
でもそれも答えじゃないと
自分で受け入れる私がいます
そうして、わずかなピースだけを
持つようになるのです
そうしないと
新しい愛も孤独も知ることができない

愛は一種の愛として
孤独は一種の孤独として
楽しむことができる

愛と孤独の間にいる女性が付ける花は、未完成で、完璧だろうと思いました

2018.3.11.18:28
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花柄のシルクのスカーフから作った華やかなブーケコサージュ
スカーフのプリント位置によって一つ一つのコサージュの色も少しずつ変わります
プレスをした上にPVCと革のベルトを乗せて、ニッケルのビスでとめつけています
裏には革のベルト通しが付いており、リボンや紐を通せる仕様になっています

2018年6月24日日曜日

"Lovelorn” la fleur -a1855-


二〇〇九年、父の八十歳の誕生日からほどなくして、私の旅ははじまる。

二〇〇九年三月三十日 月曜日 晴天
銀色のトランクの中へ荷物を詰め込む。スカート、ブラウス、セーター、ワンピース、パンツ、ブラジャー、パジャマのワンピース、タオル、歯ブラシ、化粧道具ひとそろえ、石鹸、シャンプー、リンス、ナプキン、カミソリ、ブラシ、マニキュア、爪切り、スニーカー、ガイドブック各種。ハンドバックにパスポート、航空券、予約した列車の電子切符、ホテルの予約チケット、プリントアウトした地図、ペン、携帯電話、デジタルカメラ、お財布、クレジットカード、それから、アンネの日記、父の日記、そして、私のまだ真新しいノート。朝六時半、トランクを閉じて、家を出る。
黒いオーバーコート。ブーツを履く。ヨーロッパはなお寒いだろうか。首にマフラーを巻きつける。

いってきます。





「親愛なるキティーたちへ」小林エリカ(リトルモア)より




2018.3.23.22:14
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幾重にも重なったシルクサテンの花びら
立体的なバラの花を作り、プレスをした上にPVCと革のベルトをのせてニッケルのビスでとめています
ブラックの方には花びらにプリント地を混ぜて使用しています
花柄のシルクのスカーフ生地を使っているので一つ一つの柄が違います

2018年6月23日土曜日

"Lovelorn” la fleur -b1854-


いつも形のないその瞬間を最大に愛していますが、同時にその瞬間手放してもいます
その繰り返しのような感じで生きています
アートに携わる理由は正解とか答えがひとつでないからかしら
考えたり感じたりすることを延々できるからかかしら

2018.3.20.21:04
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野に咲く花を摘んできて押し花のようにしたデザインのコサージュ
押し花のようにプレスをして、上にPVCと革のベルトを乗せてニッケルのビスでとめつけています
革のベルトにリボンを通すとネックレスやチャームにもなります
胸だけでなく、バックやボトムにつけたコディネートも楽しめます

2018年6月22日金曜日

"Lovelorn” la fleur -b1853-

わたしは、心のなかに、子どものころに”ああここは天国のようだ”と思った場所があって、
都会に住んでいるけれど、いつもあの景色に戻ってゆく感覚があります

そして、なによりそこに住む家族と過ごした時間が、
喜びに満ちているものとして、いまも存在しているから。
この家族と過ごした時間、何度も訪れていくうちに、マフラでの記憶が厚みをまして
街の真ん中にいても、彼らの存在感、空気感、自然の色彩に身体が満たされてゆく

2 2018.3.13:39
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薄く透ける紫陽花のような花びらの上に、バラ花びらや枝を散りばめたコサージュ
様々な素材と表現が一つになったコサージュです
押し花のようにプレスをして、PVCをのせ、真鍮のビスで止めつけています

2018年6月21日木曜日

"Lovelorn” la fleur -a1852-


はっと何かを思いつく時は、その世界を垣間見ている。
この世の時間経過をなくしている瞬間なのではないでしょうか?
そんな風に思いますが、、

2018.3.12.11:43
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薄く透けるポピーの花びらとフランス製の花芯がアクセントになったコサージュ
くねる茎はピンクには白、ブルーには黒のワイヤーで巻き上げ仕上げています
押し花のようにプレスをして、PVCをのせてビスで止めつけています
ピンクには真鍮、ブルーにはニッケルのビスになります

"Lovelorn” la fleur -b1851-


Swimming under the crescent                                          

NYに来て、宿を始めてから、歳を重ねるのは夜の海で泳ぐようだと思い始めました ひょっとしたらそう以前に書いたかもしれません

それまで記憶は積み重なってゆくものだと思っていたのに、強烈な印象を残した出来事や、絶対に忘れないと決めた経験や、どうしてなのかいつまもで心に残る景色や風や音が、ある時何かの拍子に突然蘇ってくる事を繰り返す間に、記憶がまるで深い海に浮かび上がったり沈み込んだりするもので、歳をとってゆくという事は、暗い海を泳ぐような感じだなと思い始めました 「記憶」達が泳ぐ私の手にいきなりぶつかっきたり、そうとは知らずに掴んでしまったり、自分の横を漂ってゆくのを眺めて、驚かされたり、嬉しくなったり、寂しくなったり、懐かしくなったりを繰り返しています 深く海に沈んでしまってもうきっと二度と思い出せない記憶や、忘れた事さえ気がつかないうちに遠くに消えてしまった記憶もあるのだと思います
それは満月のように明るくて波がきらきら光る海ではなくて、新月のように暗くてねっとりとした海でもなく、心地よくていつまでも泳いでいたい三日月夜の海です

それで言うと、あなたからのメールへの返事を出すのは、その三日月夜の海を深く潜って行く行為かもしれません

 2018.3.10.11:24
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俯いた表情ブーケ 
花びらはシルクサテンを、葉にはエナメルを使用し艶やかな印象です
押し花のようにプレスをして、上からPVC(ポリ塩化ビニール)と革のベルトを乗せて
ニッケルのビスでとめつけています

2018 autumn-winter collection "Lovelorn”

2018 autumn-winter collection "Lovelorn”

今日から少しづつですがla fleurの新しいコレクションを紹介させて頂きます

今シーズンのコレクションのインスピレーションは
写真家Todd Hideによる作品集”BETWEEN THE TWO”から

暗がりのモーテルに佇むモデルたちとの間に満ちるのは
オレンジの光に象徴されるべく 濃密な時
互いに時を共有しながら 寄り添うでもないそれぞれの距離
彼女たちの肌の 触れずとも感じる温度や鼓動

Lovelorn

その身を浸すように孤独を味わう彼女たちの姿と
重なるようなこの言葉が 今回のコレクションのテーマです

前シーズンからの連作とも言うべき
人と人との関係性を
私なりの理解によって作品の中に落とし込めないかと言う
一つの小さな挑戦でもあります

彼がカメラのファインダーを通して 彼女たちを見つめるように
私の周りの女性達の言葉を
花々にビニールを重ねる手法により見つめ
前シーズン同様に繰り返し表現しています

透明のビニールを通して 色や形を露わにする花々
ありきたりの美しさではない 憂いや強さを内在した姿
あるいは 彼女たちが一瞬見せた表情を
彼のファインダーが捉えるごとく
美しい花の一瞬に 封じ込めるように現したコレクションです
The inspiration of this season’s collection came from “BETWEEN THE TWO” by photographer, Todd Hide.

A dark motel room is filled with intense moment of orange light, between a model and the lens. 
Keeping its distance by sharing their time, but not snuggling up. 
Two can feel their heat and heartbeat without touching each other.

The title “Lovelorn” overlaps the image of hers as if she sinks her body into the loneliness.

To transform human relationships into my piece is a continuing small challenge from last season.

Just like the way he saw the model through the lens, 
I see the word by the women around me through my work by the technique 
of laying over the pedals and the lens from last season.

The flowers are exposing it’s color and shape through clear pvc with holing not the ordinary beauty, 
but their sorrow and strength inside.
This collection was capturing the brief moment of beautiful flower,
 just like how he did the model expression through the lens.
次回投稿より新しいコサージュをひとつづつご紹介させて頂きます

la fleur 岡野奈尾美

2018年6月4日月曜日

la fleur WORKSHOP              @代官山ティーンズ・クリエイティブ

代官山ティーンズ・クリエイティブでのワークショップのお知らせです
こちらのワークショップは中学生以上〜25歳までの学生が対象となっております
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コサージュを作る時
「楽しい!」と誰もが口をそろえて言うのがコテの作業です
平面から立体にすることのおもしろさ
コテを使い、自らの手で形成するので楽しいに決まっています
けれど同じコテ先を使っても、人によって仕上がりや雰囲気が異なります
自分なりのコテの表情を研究しながら、
完成するまでのプロセスを手を動かしながら体験してみましょう
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詳細・お申し込みはこちらよりお願いいたします

我々は作ることの楽しさを
若い世代に伝えることができたらと思っております
保護者の皆様へ、是非子供たちに教えてください
皆様のご参加を心よりお待ちしております


la fleur  岡野奈尾美